人生のあらゆる場面で出てくる「学歴」。高学歴にはメリットがたくさんあるはず、と思いがちだが、必ずしもそうとも言えないようだ。 高学歴は不幸になると断言するのは、『「学歴エリート」は暴走する〜「東大話法」が蝕む日本人の魂』などの著者、東大教授の安冨歩さんだ。 「他人の目を基準に生きると、自分自身の感覚がわからなくなる。東大、京大レベルの難関大学の入試を突破するには、出題者や採点者が何を聞きたいのか読み解き、答える必要があるので、自分の感覚を殺さねばならない。すると幸福を感じることは、原理的に不可能。それは『魂の傷』なのです」 その傷は女性より男性のほうが深い。女性の場合は、「できすぎる女は結婚や恋愛に不利」という社会的通念があるため、学歴による万能感を抱きにくい。一方、男性は、高学歴なら就職、収入、出世、結婚、何をとってもプラスに働くという先入観がある。プライドが高くなる一方、挫折したと