中国は情報インフラの整備に着手してからわずか20数年で、世界トップレベルのデジタル社会を築きあげました。2019年中国デジタル経済の規模は既にGDPの36.2%を占め、経済の成長エンジンとなっています。書籍「チャイナイノベーション2 中国のデジタル強国戦略」の著者であり、中国のデジタル活用事情に詳しい野村総合研究所(NRI)の李智慧に、中国のデジタル社会実装の現状を聞きました。 中国のコロナ禍の短期収束に貢献したデジタル社会実装 中国では、官民一体の「デジタル・社会ガバナンス」が新型コロナウイルス感染拡大の防止と経済の再開の両立を支えました。 2020年1月23日に始まった武漢のロックダウンは、2月12日の新規感染者数15,152人をピークとして感染者が減少したため、4月8日には解除されました。短い期間で封じ込むことができたのは、挙国体制で厳しい施策を実施したことが功を奏したからです。その