「完全に拍子抜け」「竜頭蛇尾とはこのことではないか」。 複数の自動車業界関係者がこう酷評するのは、日産自動車が今年秋に発売するクリーンディーゼル車「エクストレイル」である。このクリーンディーゼル車は、世界で最も厳しい米国のディーゼル排ガス規制の基準をクリアしているだけでなく、2009年度に日本で実施予定の排ガス規制にも対応したエンジンを搭載。これほどクリーン度の高いディーゼルエンジンの投入は、むろん、日本で初めてである。 それなのに、なぜ冒頭のように酷評されるのか。じつは、日産は昨年8月、他のメーカーに先んじて、クリーンディーゼル車を日本市場に投入すると発表、日産のディーラーやユーザーでは「いまか、いまか」と、その期待度は高まっていた。だが登場したのはマニュアル(MT)車のみ。それだけにディーラー側の落胆ぶりは大きかったのである。 ある販売店の営業マンは「昨年からクリーンディーゼル車