試合前の罵り合いも、マスク剥ぎも、鬼神ライガーも、ほんの前振りでしかなかった。 新日本プロレス10.14両国国技館で実現した、獣神サンダー・ライガーvs.鈴木みのるの一騎打ち。さまざまな因縁、物語を内包したこの一戦は、両者が32年前に出会ってからのレスラー人生をぶつけ合うような試合となった。 ライガーvs.鈴木といえば、必ず引き合いに出されるのが、2002年11月30日、横浜文化体育館で行われたパンクラスでの一戦だろう。 当時、鈴木は頚椎ヘルニアの影響で、パンクラスで思うような結果が残せなくなり、一度は引退を決意。最後のケジメとして、若手時代のライバル佐々木健介とがむしゃらに闘って燃え尽きようとしたが、健介の辞退により、ファイナルマッチ自体が宙に浮いてしまう。 そんな時、かつての先輩ライガーが、鈴木の行き場のない思いを受け止めて対戦に名乗りを上げ、パンクラス(総合格闘技)ルールで対戦。鈴木