突然だけれども、あなたにとって音楽の先輩と呼べるような人はいるだろうか。親兄弟やクラスメイト、部活やサークルの先輩、SNSでフォローしている顔も名前も知らないどこかの誰か、お気に入りのプレイリストやディスクガイド、お店やメディアなど……指針となる人やものが身近にあるだけで、未知の音楽に触れるハードルは格段に低くなる。自分自身の体験を通じてもそう感じる。 遡ること2か月前、ぼくにとって10年来の音楽の先輩(インディレーベルのA&R)から「Subway Daydreamって新人を担当することになったから聴いてほしい」と連絡があった。“Teddy Bear”という曲を聴いてみると、ネオアコ~オルタナティブロックの系譜にあるギターサウンドに1990年代的なJ-POP風味のキャッチーな歌が乗っていて、そのうえ、ただ音楽的な要素を寄せ集めただけじゃないものを感じさせて面白いバンドだなと思った。 その先