京都大学の東島沙弥佳特定助教(白眉センター)と山田重人教授(医学研究科)の研究グループは、日本最初の正史である『日本書紀』に、医学的に先天異常と考えうる記述を発見した。 日本最古の正史『日本書紀』には初代から41代天皇までの天皇系譜と事績が記されているが、他にも災害や天文の記録、奇妙な姿形をしたヒトに関する記録がある。その中に、しっぽの研究者である東島特定助教がしっぽの生えたヒトの記述があることを記憶していたことから、今回の研究が始まった。 研究では、ヒトの異常な身体・精神特徴に関する記述をピックアップし、得られる限りの情報から病名の診断を試みた。その結果、初代神武天皇から41代持統天皇に至る記述の中に合計33 例、ヒトの異常な身体・精神特徴に関する記述を見つけた。 例えば、生まれつき腕にリンパ管奇形と思われる肉の高まりを持つ天皇の話や、生まれつき話すことが困難な皇族たち、天皇や皇族以外に