理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)が自殺したことを受け、理研は5日午後1時から、広報室長が文部科学省で笹井氏の死去について説明することを明らかにした。一方、突然の知らせに関係者は驚き、発生生物学のトップランナーとも言われた優秀な研究者の死を残念がった。 STAP細胞問題を受け、理研が設置した改革委員会の委員を務めた信州大の市川家国特任教授は一報に接し「えっ」と驚き、絶句した。「かわいそうだ。本人も、ご家族も。日本の研究を引っ張ってきた非常に優秀な研究者だ。改革委としては厳しい意見を言わざるを得なかったが…」と語った。 センターの男性研究者によると、笹井氏は問題が明らかになって以降、精神的に落ち込み、一時回復したが、最近はまた悪化していたという。「STAP細胞問題を一気に引き受け、責任を取ろうとしていた」と明かす。 日本分子生物学会の理事長を務める大隅典