殺人などの重大犯罪を起こした者が精神障害などを理由に刑事責任能力がないとみなされる「心神喪失」。通常の刑事事件と異なり、被害者や遺族には事件や加害者の情報が十分に開示されず、裁判も開かれないため意見表明の場も与えられない。関係者は現行制度の不備を訴えている。 「通常事件の被害者や遺族と比べて、大きな格差がある」 6月25日に東京都内で開かれた、犯罪被害者や遺族らでつくる「医療観察法と被害者の会(がじゅもりの会)」主催のシンポジウム。同会の濱口文歌弁護士は、心神喪失などと認められた重大事件の加害者の医療的な処遇などを定める医療観察法の運用の問題点について、こう指摘した。 鑑定留置で心神喪失や心神耗弱とされた者は、通常の刑事裁判の「被告人」ではなく、指定医療機関への入院や通院治療の可否といった処遇を決める医療審判の「対象者」として社会復帰を目指すことになる。 元大阪高裁判事の村山浩昭弁護士は、
被害者の兄弟などに対する支援の必要性を訴える土師守さん=新潟市中央区の新潟ユニゾンプラザで2023年11月25日、内田帆ノ佳撮影 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の遺族、土師(はせ)守さん(67)が11月25日、新潟市中央区であった犯罪被害者支援フォーラムで講演し、県警察学校生ら約280人が耳を傾けた。メディアスクラム(集団的過熱取材)に苦しみ、「2カ月近くたってからカーテンを開けた」と当時の状況を語り、事件直後の支援や被害者の兄弟などへのケアの重要性を訴えた。【内田帆ノ佳】 土師さんは事件で小学6年だった次男の淳さん(当時11歳)を当時14歳の少年に殺害された。事件直後、マスコミ関係者が自宅周囲の道路を埋め尽くした。兵庫県警察本部から派遣された逆探知グループの職員が、生活必需品の買い出しや相談相手を担ってくれたという。
煙を上げて燃える「京都アニメーション」の第1スタジオ=令和元年7月18日、京都市伏見区(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影) 京都アニメーション放火殺人事件で殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判は、第21回公判が6日午前10時半から京都地裁で開かれ、負傷した京アニ社員による意見陳述や被告人質問が予定されている。負傷者による意見陳述などは4日の前回公判から始まった。仲間を失い、自らも後遺症に苦しみながら4年の月日を過ごした彼ら。残された者として生きていく葛藤と苦悩は計り知れない。 「幸せになっていいのか」法廷で意見陳述した30代の男性社員は、事件があった日、第1スタジオ1階で被告と対峙(たいじ)したと明かした。突然現れた赤いTシャツにジーンズ姿の侵入者。危険を察し、さすまたを手にした瞬間、目の前が炎に包まれた。「死んだと思った」。何とか火がまわっていない出口を見つけた。やけどを負う中
事件や事故で最愛の人を失う悲しみは計り知れない。そんな犯罪被害者をさらに苦しめるのが誹謗(ひぼう)中傷だ。平成24年、京都府亀岡市で起きた無免許暴走事故で娘を失った中江美則さん(60)が11月、京都市内で講演した。自らが受けた誹謗中傷の体験を踏まえ、傷心した被害者への二次被害について「幾度もやり場を失い絶望感から解き放たれることはない」とその苦しみを訴えた。 平成24年4月、亀岡市の通学路で集団登校中の児童らに無免許運転の軽乗用車が突っ込み、10人が死傷した。この事故で中江さんは妊娠中の娘、松村幸姫さん=当時(26)=とおなかの中にいた孫の愛鈴(ありん)ちゃんを失った。果てしない悲しみと怒り。「何年たっても憎悪から解放されない」と涙をにじませた。 事故後、中江さんは事故やその理不尽さを訴えたいとの思いから報道陣の取材に応じた。しかし、テレビや新聞で名前や顔が出ると「有名人やな」と心ない声を
「ももいろクローバーZ」のコンサートを楽しむ、犯罪や交通事故で家族を失った遺族(手前)=24日夜、さいたま市のさいたまスーパーアリーナ 犯罪や交通事故で家族を失った子どもや保護者が24日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で開かれたアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のクリスマスコンサートに招かれた。警視庁犯罪被害者支援室が子どもらを元気づけようと企画し、所属事務所が賛同して実現した。 9家族の計28人が参加。曲に合わせて赤や黄色のペンライトを振ったり、拍手を送ったりしながら楽しんでいた。父親を交通事故で亡くした中学1年の男子生徒(13)は「久しぶりの会場でのライブで元気をもらえ、とても楽しかった。来年も頑張りたいと思った」と笑顔で話した。
池袋暴走事故 遺族のブログ平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。 再発防止について活動して行きます。 何卒よろしくお願いいたします。 こちらの報道を受けて、想いを書きます。 最初に申し上げておきます。 いつもは出来る限り前向きに、交通事故のない世の中を目指して発信をしています。 ですが、今回は感情のままに書きます。読んで嫌な想いをする方もいるかもしれません。 ですが、もはや私一人では抱えきれない。だから書きます。 記事に感じる違和感と感情この執筆者(加害者家族の支援者)のこの手の記事を、この3年間、何度も何度も目にしました。その度に、ものすごく違和感を感じています。 違和感を感じる点 私が違和感を感じる点は以下の点です。 ①本当の真実をこの執筆者は知っているのか。 ②バッシングが起きた背景への着眼点がズレている。
9月27日に行われた安倍晋三元首相の国葬で、気丈に喪主を務めていた妻・昭恵氏(60)。その昭恵氏が、安倍氏の死去から約2週間後、公の場で山上徹也容疑者(42)についての想いを語っていたことが「週刊文春」の取材でわかった。 会長挨拶で最愛の夫を喪った悲しみを吐露 昭恵氏は7月25日、2014年から会長を務める公益財団法人「社会貢献支援財団」が帝国ホテルで開催した「社会貢献者表彰式典」に参加。社会福祉や国際貢献に携わった企業などを表彰する式典だったが、昭恵氏の出席は直前まで決まっていなかったという。
「安倍元首相銃撃」山上徹也容疑者の減刑署名が1200人を突破「起訴もされてないのに」「昭恵さんのこと考えて」疑問の声 社会・政治FLASH編集部 記事投稿日:2022.07.28 21:20 最終更新日:2022.07.28 21:24 参院選中に起きた、安倍晋三元首相の銃撃事件。7月28日までに、事件を引き起こした山上徹也容疑者の減刑を求める署名が1200人を突破し、物議を醸している。 「報道によれば、山上容疑者は母親が信仰する旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への恨みにより、犯行に及んだと供述。母親が多額の献金をおこなったことで、家庭は崩壊したと主張しています。献金額は、1億円にものぼると伝えられています。 【関連記事:「塩顔ハイスペックイケメン」山上容疑者にガチ恋する女性が続々…山上ガールズの本音とは】 また、7月27日付の『産経新聞』によれば、山上容疑者は奈良県警の調べに対し、
亡くなった朝輝ちゃんの写真を抱え、苦悩を吐露する女性=大阪府東大阪市(中井芳野撮影)後を絶たないインターネット上での誹謗(ひぼう)中傷。交流サイト(SNS)ばかりが問題視されるが、意図せずとも被害者の心を深く傷つけるのはニュースサイトのコメント欄への書き込みだ。関連記事が当事者の目に触れることは避けられず、容赦のない無責任な言葉は人の心をえぐる。今年4月に大阪府東大阪市で発生した母子3人乗りの自転車事故では、心ない書き込みが息子を亡くした女性に追い打ちをかけた。女性は自殺も考えたと明かし、「中傷で削られる命を無くしてほしい」と訴える。 「いっそ死んでしまおうか」《息子を殺したいからあえて細い道を通ったんじゃないの》《親が殺したも同然でしょ》 息子の死を伝えるネットニュースには、容赦ない言葉が書き添えられていた。失意の底で言い返す言葉も、その機会もない。「いっそ死んでしまおうか」。次男の川上
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く