1. はじめに このたび,『機械設計』誌に招かれて,「USIT入門」という連載を5回の予定で執筆することになりました。うれしいことです。USITは,創造的な問題解決のための技法で,特にその一部始終の考え方を具体的に示し,やさしく学び,実践できるようにしたものです。 あらゆる分野で技術革新が進み,社会の変動も激しく,さまざまな企業が生き残りを懸けて競争にしのぎを削っています。『機械設計』の読者の皆さんはもちろんのこと,あらゆる技術分野の技術者・研究者も管理者も,またあらゆる産業に従事している人たちが,常に何か新しいことを考え出し,工夫し,実践していかないといけないことを,身に沁みて知らされています。日常生活でももちろん,新しい工夫が必要になることはいろいろあります。 それでも,新しいことを考え出し,それを実現していくことは,通常並大抵ではありません。「創造的に考えよ」といわれ,「頭を柔らかく