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ブックマーク / ish.chu.jp (4)

  • 隔離地域に火を放て

    隔離地域とは、「部落」的なものですが、いわゆる「部落」を問題にしたいわけではありません。 隔離された者は「差別」の対象になりますが、一方で「被差別者」がいてもらうことで共同体を成立させる、という点で、共同体にとって有難い存在でもあります。その「恩返し」が「隔離地域」であり、ここにいると「あいつらは・・・」と陰口を叩かれる代わりに、地域内部にいる限り一定の安全を保証されます。 いわゆる「部落」では、この辺りの力動さらに実際の権力システムに還流されていたり(自民党と部落解放同盟など)、いささか状況が複雑すぎます。そのため、ここでの議論では括弧に入れておきます。 念頭においているのは、むしろ現代的な「マイノリティ」です。 例えばセクシュアル・マイノリティには独特の「隔離地域」があります。こうした「隔離地域」も既に時代遅れになりつつありますが、それでも「部落」に比べればまだその功罪あいまった位置づ

  • ラディカル・デモクラシーと「ただの民主主義」

    「『ラカンと政治的なもの』ヤニス・スタヴラカキス」を受けて、ラディカル・デモクラシーについて考えてみます。 まずよく認識しなければならないのは、スタヴラカキスの言うラディカル・デモクラシーとは、わたしたちが「民主主義」という語からイメージするものとはかなり性質が異なる、ということです。それは、「ユートピア的」政治理念、何らかの調和を約束する広義のイデオロギーからの脱却を目指して提唱された以上、「主義」という<良き閉域>に縛られるものではありません。例えばアメリカが「輸出」しようとしている「民主主義」や、「民主主義の牙城を守る」などと政治家たちによって語られている民主主義とはまったく異なります。 一方、ラディカル・デモクラシーは単なるカオスではありません。それは不可能なものを幻想により(症候の否認により)覆い隠すのではなく、象徴的に包囲するものであり、「政治的なもの」自体を指すことはできない

  • 外山恒一さんと会う

    ビンラディンのTシャツを着て、箸でお誕生ケーキを頬張るファシスト外山恒一氏(秘書田中嬢とおそろいの初代京ぽんCMOS11万画素カメラにて撮影)。 どこからツッコんでいいやらわかりません。 「さておかれない冗談、外山恒一」で話題にさせて頂いた外山恒一さん。とりあえず会ってみなければなにもわからない、と思っていたところに再上京の知らせを受け、コンタクトを取ってみたところ、「面会」を果たすことができました。 まずは、ご多忙中一度も会ったことのないわたしを個人的な集まりに誘って下さった外山さんに、御礼申し上げたいです。ありがとうございます。 以下、予想より随分色々お話できた上でのファースト・インプレッションです。 まず大雑把な人物像、「ファシズム」に対するスタンスについては、概ね期待通り。 ゴリゴリの党派的人物でもパラノイアでもなく、気の気だからこそ機知を発揮する(※1)。そして質的に「優し

  • 『世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて』 柄谷行人|ish☆手作りスキンケア・サイボーグ

    『世界共和国へ―資=ネーション=国家を超えて』 柄谷行人 発売直後に購入して一読していたのですが、いざ何か書こうとするとまとまらない。部分部分はわかりやすいのに、全体として何を言っているかをまとめようとすると難しい。 柄谷行人さんのによくあることで、これも一重に氏の語りの上手さによるものでしょう。学生の頃むさぼるように読んで、ここのところこの世界とはご無沙汰だったのですが、久しぶりに読んでみても同じ印象。とにかく面白いし、わかったような気になるのでサクサク進んでしまうのですが、うっかりしていると右から左に抜けてしまいます。 重要なであることは間違いないので、もう一度読み直して以下に無理矢理まとめておきます。誤読もあると思いますがご容赦を。 三つの交換様式を考える マルクスの言う「生産様式」とは、生産が一定の交換や分配の形態でなされることを示す。ゆえに「交換様式」という方が、交換を二次

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