隔離地域とは、「部落」的なものですが、いわゆる「部落」を問題にしたいわけではありません。 隔離された者は「差別」の対象になりますが、一方で「被差別者」がいてもらうことで共同体を成立させる、という点で、共同体にとって有難い存在でもあります。その「恩返し」が「隔離地域」であり、ここにいると「あいつらは・・・」と陰口を叩かれる代わりに、地域内部にいる限り一定の安全を保証されます。 いわゆる「部落」では、この辺りの力動さらに実際の権力システムに還流されていたり(自民党と部落解放同盟など)、いささか状況が複雑すぎます。そのため、ここでの議論では括弧に入れておきます。 念頭においているのは、むしろ現代的な「マイノリティ」です。 例えばセクシュアル・マイノリティには独特の「隔離地域」があります。こうした「隔離地域」も既に時代遅れになりつつありますが、それでも「部落」に比べればまだその功罪あいまった位置づ