6月8日に同性婚の制度がないことを「違憲状態」とする福岡地裁判決が出た。これで同種訴訟の一審判決5件が、出そろった。どの裁判も、同性婚の制度が存在しないことが「法の下の平等」を定めた憲法14条と、婚姻の自由・平等を定めた憲法24条に反することを訴えるものだった。これに対して国は、憲法は同性婚を想定していないなどと主張してきた。 判決は「違憲」2件、「違憲状態」2件、「合憲」1件に分かれた。違憲状態は「違憲無効」という法的効果は発生させずに、現状が違憲な状態となっていることを確認するにとどめる判決だ。前進と見る声と、これでは是正につながらないと憂慮する声が交錯する。 しかし少なくとも、現状を合憲とした大阪地裁判決も含め全ての判決が、原告らが深刻な不利益を被っていることは認めている。「法的判断になじまない価値観の問題だ」として門前払いする姿勢を採る裁判所はなかった。その重要性を確認しておきたい