朝寝をして「音楽の泉」を聴きのがしてしまった。バタバタと身支度をして、イソイソと外出。午前11時より、《生誕百年 映画監督 マキノ雅広》特集開催中のフィルムセンターにて、『学生三代記 昭和時代』(昭和5年・マキノプロ)の「野球の巻」「下宿の巻」と『浪人街 第二話 楽屋風呂』(昭和4年・マキノプロ)を見る。先日、竹中労の『日本映画縦断』をランランと読みふけっていたばかり、というタイミングで、『浪人街』の断片を見られるというのが、まずは嬉しかった。 京都・千本丸太町、前に紹介したカフェー「天久」は、大正七年の創業。昭和の初年、映画人のたまりとしてこの店がにぎわったころ、巷には不況の風が吹いていた。カツドウヤのふところも、ご多分にもれずさみしかったが、わが師ナンキョウ(南部僑一郎)の回想によれば、先代ママはいやな顔一つせず、無頼漢どもにツケで飲ませてくれたという。 田坂具隆、内田吐夢、岡田時彦、