補導した少女らに性的関係を迫ったとして、強要未遂の罪に問われた広島東署府中交番の元巡査長、鞍本渡被告(40)=懲戒免職=の判決公判が4日、広島地裁であり、小川賢司裁判官は「狡猾で卑劣な手口による悪質な犯行」として懲役2年6月、執行猶予4年(求刑2年6月)の判決を言い渡した。 判決によると、今年3~4月の間、職務上知り得た個人情報を悪用し、補導少女2人の携帯電話に、暴力団員を装って電話をして性的関係を迫り、要求に応じなければ集団強姦などの被害に遭わせると脅迫した。携帯サイトで知り合った女性には、裸体などの動画をインターネット上に流出させるなどと脅し、性的関係を迫った。 判決で小川裁判官は「市民生活を守る職責の担い手としての自覚を欠いた恥ずべき行動で、警察に対する市民の信頼を損なった」と指摘した。被害弁償が行われていることや社会的制裁を受けていることなどから執行猶予判決とした。