岸田文雄首相は27日の参院予算委員会で、アイヌ民族に関する発信で法務当局から人権侵犯認定を受けた自民党の杉田水脈衆院議員について、「アイヌであることを理由として差別することは、あってはならないと認識している」と述べた。立憲民主党の岸真紀子氏の質問に答えた。 岸氏は、杉田氏がSNSなどでアイヌ民族に対する差別的発言をしていると指摘し、「アイヌ民族への偏見と憎悪をあおり続ける杉田氏の言動をどう考えるのか。なぜ放置するのか」とただした。 首相は、「政府として、議員の発言に一つ一つコメントすることは控える」としたうえで、「政治家は影響力を十分に自覚し、自らの言動について説明責任を果たしていくことが重要だ」と述べ、正面からの回答を避けた。 これに対し、岸氏は「自民党の(公認候補として)比例区で受かっている。放置してはいけない。ちゃんと対応してください」と批判した。