速水優、福井俊彦、白川方明と3人の日銀総裁の下で失敗を繰り返した金融政策。未曾有の危機のもとで根本的な見直しが必要だ 日銀が政策金利をゼロ%近くに誘導し始めて10年。景気が十分回復しないうちに2度も金融を引き締め、脱出に失敗した。日本経済はデフレ悪循環のフチをさまよっている。インフレ目標策の導入など金融政策の根本的な見直しが必要だろう。 速水総裁「ゼロでいけるなら」で始まった長いトンネル 1999年2月12日。日銀は無担コール翌日物金利を0.25%から0.15%に下げ、さらに下げを促すことを決めた。同16日に速水優総裁が「ゼロでやっていけるならゼロでもいいと思う」と述べ、ゼロ金利政策が始まった。 それから丸10年。日本経済は良くなるどころか悪化している。2008年10―12月の国内総生産(GDP)はかつてない大幅マイナスとなった。JPモルガン・チェース銀行の予測によると09年の日本の