やはり補正予算が来たか。日本の財政当局は、経済運営は無能でも、政治的な立ち回りは憎らしいほど巧みである。一気の増税を和らげるためにバラマキをするくらいなら、緩やかな引き上げにしておけば良さそうなものだが、そうした経済的に理に適った運営が顧みられることはない。 2012年度予算の焦点の一つは、年金財源を賄う交付国債だった。手形のようなものだから、批判が集中するのも当然だが、それは戦略の内であったろう。ここに議論を集中させ、歳入庁などの面倒な問題に拡散しないようにすると同時に、社会保障に消費増税が欠かせないことをアピールする狙いがあったのだろう。 今回は、税と社会保障の一体改革と銘打ったが、増税だけが合意され、社会保障は先送りになるのは、予想されたことだった。それは、財政当局にとって理想的だが、最低限、社会保障にリンクさせるための仕掛けも欠かせない。そして、増税が合意されたことで、めでたく、異