教育現場にも非正規労働が増えている。公立の小中学校で教える非正規の教員は全国で約12万人にのぼり、人数割合は16%を超す。 担任を持つなど正規と同様の仕事をする常勤講師も多いが、1年度限りで失業する不安定な雇用で、待遇の差も大きい。教育の継続性などの面で影響が懸念されている。 任期6か月、更新1回限り 大阪府東部の中学校で数学を教える男性は、常勤講師を30年余り続けてきた。しばしばクラス担任を持ち、運動クラブの顧問もしてきた。 「子どもは何かに感動した時に変わる。子どもの成長が一番の喜びですね」 だが、成長を経た子どもの姿を見ることは少ない。正規の教諭と違い、講師は年度が変わると、たいてい別の学校に移るからだ。 常勤講師は、地方公務員法の「臨時的任用職員」。もともと産休、病休などの代替教員を想定した任用制度なので、任期は6か月以内、更新は1回限り。府では毎年、3月30日で任期が終わる。 収