レーダー技術者の渡辺広勝氏が、特別に改造した装置をツタンカーメンの墓の北壁に沿って動かしていく。(PHOTOGRAPH BY BRANDO QUILICI, NATIONAL GEOGRAPHIC CHANNELS) ツタンカーメン王の墓で2日間かけてレーダースキャン調査を行った考古学者らによると、データの簡易分析の結果、王の玄室には隠された出入り口が2カ所あり、その向こうに閉ざされた区画がある証拠が見つかったという。 11月28日にエジプト・ルクソールで発表されたこの内容は、英国人考古学者ニコラス・リーブス氏が提唱している、ツタンカーメン王の墓の中にはもう一人別の王族が埋葬されているという仮説を裏づけるものだ。リーブス氏は、隠された墓に眠っているのはツタンカーメンの義母で、女性のファラオとしてエジプト第18王朝を支配したとされるネフェルティティと推測している。 もしリーブス氏の説が事実な