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ブックマーク / blog.tatsuru.com (12)

  • コロナ後の世界 - 内田樹の研究室

    『月刊日』にロングインタビューが掲載された。「コロナ後の世界」について。 ■「独裁か、民主主義か」という歴史的分岐点 ―― 世界中がコロナ危機の対応に追われています。しかしたとえコロナが収束しても、もはや「元の世界」には戻らないと思います。内田さんはコロナ危機にどんな問題意識を持っていますか。 内田 新型コロナウイルス禍は、これからの世界のあり方を一変させると思います。「コロナ以前」と「コロナ以後」では世界の政治体制や経済体制は別のものになるでしょう。 最も危惧しているのは、「新型コロナウイルスが民主主義を殺すかもしれない」ということです。こういう危機に際しては民主国家よりも独裁国家の方が適切に対処できるのではないか・・・と人々が思い始めるリスクがある。今回は中国が都市閉鎖や「一夜城」的な病院建設や医療資源の集中という、民主国家ではまず実施できない政策を強権的に下して、結果的に感染の抑制

    kobeni_08
    kobeni_08 2020/04/23
    「安倍政権が「イデオロギー政権」だからです。政策の適否よりもイデオロギーへの忠誠心の方を優先させた。だから、たとえ有効であることがわかっていても、中国や韓国や台湾の成功例は模倣したくない」
  • 日本の人事システムについて - 内田樹の研究室

    ツイッターで茂木さんが就職活動について書いている。 多くの点で、私も同意見である。 けれども、完全には同意できないところもある。 意見が違うというのではなく、話を「切り出す順番」が違うということなのかも知れない。 それについて考えてみたい。 茂木さんはこう書いている。 「大卒2割、就職も進学もせずという今朝のニュース(http://bit.ly/9IP2QS )に思うところあり、日の就職について連続ツイートします。 大学3年の夏から、実質上就職活動が始まる日の慣習は、明らかに異常である。学問が面白くなって、これからいよいよ格的にやろうという時に、なぜ邪魔をするのか。 そもそも、新卒一括採用という慣習は、経営的に合理性を欠く愚行だとしか言いようがない。組織を強くしようと思ったら、多様な人材をそろえるのが合理的である。なぜ、一斉に田植えでもするように、同じ行動をとるのか? 日の企業が

  • 言葉の力 - 内田樹の研究室

    ツイッターで「言葉の力」と題する原稿を書いたとつぶやいたら、「読みたい」というリクエストがたくさん(三通)あった。 専門的な媒体に書いたので、ふつうの方の眼に触れる機会は少ないであろうから、リクエストにお応えして、ここにその一部を抄録することにする。 力とは外形的数値的に表示できるものではなく、ほんらいは内在的・潜勢的な資質であろうという話のあとに、こんなふうに続く。 たとえば「胆力」というのは、つよいストレスに遭遇したとき、その危地を生き延びる上で死活的に重要な資質だが、それは危機的状況にあっても「ふだんと変わらぬ悠揚迫らぬ構え」をとることができるという仕方で発現される。 つまり、外形的に何も変わらない、何も徴候化しないということが胆力の手柄なのである。だから、「チカラ」をもっぱら外形的な数値化できる成果や達成によって計測することの望む人の眼に「胆力」はたぶん見えない。 当然ながら、彼ら

  • 「大反論」に反論(じゃないけど)(内田樹の研究室)

    週刊ポストの中吊り広告を見て、びっくりした話は昨日ツイッターに書いた。 「上野千鶴子に内田樹が大反論!」というアオリの効いたタイトルがつけてあるけれども、もちろんこれはポスト編集部の客寄せ「羊頭狗肉」タイトルであって、中身は「大反論」などいうほど気合いの入っていない「いつもの話」である。 その中の上野「おひとりさま」論に直接言及した箇所は以下の通り。 『おひとりさまの老後』には強い違和感を持ちました。あのの核心は「家族が嫌い」ということをカミングアウトした部分でしょう。「家族に何の愛情も感じてないから、世話になる気もないし、世話をする気もない」と考えている人が現に大量に存在している。でも、その心情は抑圧されていた。上野さんがそれを代弁したことがひろく共感を呼んだのだと思います。でも、ぼくはそれは「それを言っちゃあ、おしまいだよ」という言葉だったと思います。 「ひとりで生きる」ことが可能だ

    kobeni_08
    kobeni_08 2010/05/01
    どうなんだろう、それでもDVするような男と結婚するよりは一人で生きていきたいと思うけど。「生きるために結婚しろ」も「死ぬまで一人で生きろ」も極端だとは思う。
  • 男性中心主義の終焉 - 内田樹の研究室

    『プレシャス』のオフィシャル・パンフレットが届いた。 不思議な映画である。 あちこちの映画祭で受賞しているけれど、どうしてこの映画がそれほど際立つのか、たぶん日の観客にはその理由がよくわからないのではないかと思う。 それについて書いた。 変わった手触りの映画だな・・・と思った。「ふつうの映画」と違う。どこが違うのか考えたがわからない。そのまま寝て、一晩寝たら、明け方にわかった。 「男が出てこない映画」だったのである。 「看護師ジョン」役でレニー・クラヴィッツがクレジットされているけれど、2シーンだけ、台詞もわずか。プレシャスの成長を暖かく見守る「いい人」という記号的なかたちでしか物語に関与しない。 プレシャスのあこがれの数学の先生も、プレシャスを意味もなく突き飛ばす暴力的なストリートキッズたちもいずれも、人間な深みのない図像として記号的に処理されている。 一家の不幸そのものの原因であり、

    kobeni_08
    kobeni_08 2010/04/29
    関係ないけど予告編を観て涙が出そうになった。赤ちゃんがかわいい
  • ナマケモノでいいじゃないですか - 内田樹の研究室

    ようやく授業が終わる。 今日から冬休みである。 なんとか生きて冬休みを迎えることができたことをとりあえず言祝ぎたい。 しかし、この二ヶ月実によく働いたものである。 『日辺境論』を出したせいで、販促活動がばたばたと重なり、たいへんな日程になってしまった。 それも一段落。 辺境ネタでは養老先生と二回対談した(『新潮45』と『AERA』) どちらもたいへん面白かった。 昨日は『サンデー毎日』の取材。 雑誌の4頁を使っての宣伝をしてくれるというありがたい企画である。 いろいろなメディアからの取材を受けたり、書評を読んで感じるのは「日人よ、がんばれ」という叱咤激励型の言説に日人自身がもううんざりしているということである。 叱咤激励的であるという点では右翼も左翼も変わらない。 「今の日はダメだ」という点では進歩的反動的、老いも若いも、みな口調が揃っている。 「いいじゃん、もう、これで」という

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    kobeni_08 2009/12/25
  • 人間はどうして労働するのか - 内田樹の研究室

    『日の論点2010』(文藝春秋)が届いた。 そこに「労働について」一文を寄せている。 こんなことを書いた。 「働くとはどういうことか」 編集部から「働くとはどういうことか」というお題を頂いた。この問いがトピックとなりうるという事実から私たちはさしあたり次の二つのことを推論することができる。 (1)「働くことはどういうことか」の定義について、現在のところ一義的な定義が存在しない(あるいは定義についての国民的合意が存在しない)。 (2)そのことが「うまく働けない」若い人たちが存在することの一因だと思われている。 だが、「働くとはどういうことか」についての一義的な定義や国民的合意が存在しないことを私は特に困ったことだと思っていない。その理路を述べたいと思う。 人間だけが労働する。動物は当面の生存に必要な以上のものをその環境から取り出して作り置きをしたり、それを交換したりしない。ライオンはお腹が

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    kobeni_08 2009/12/17
  • 増子化対策 - 内田樹の研究室

    共同通信の取材。 テーマは少子化・未婚化・婚活。 同じテーマで何度もしゃべっている。 同じことを何度も書くのも疲れるけれど、基的なことなので、繰り返す。 「少子化問題」というものは存在しない。 例えば、新石器時代に「少子化問題」というものは存在しなかっただろう(その時代に生きたことがないので想像だが)。 その時代の集団において、「最近、みんな結婚しないし、子供が生まれないのはまことに困ったことだ」というような問題があったとは思えない。 そんな問題をかかえた集団は数世代で(はやければ一世代で)消滅してしまったはずだから、そもそもそれが「問題」として意識される暇さえなかった。 「親族を形成する」というのは人間が人間である基礎条件の一つだからである。 それは「労働する」とか「言語を話す」ということとほとんど同レベルの「当為」である。 「最近、みんな労働ないので、困ったものだ」というような悠長な

    kobeni_08
    kobeni_08 2009/09/19
    「一人でも生きていける」=「ずっと今の自分=子供(親でない立場)でいたい」から結婚しない。という人は確実に増えていると思うから、現象の説明にはなってるけど、言葉遊び…。で、二人産めるのかな?みたいな
  • 井上雄彦の天才性について - 内田樹の研究室

    茂木さんが司会をしているNHKテレビの「プロフェッショナル」に井上雄彦さんが出るというのでテレビを見る。 井上さんがマンガについて語る言葉があまりに素直で深いので胸を衝かれる。 今、日の作家でも思想家でも、自分の仕事について、これほどまっすぐに質的な言葉を語れる人がいるだろうか。 私は思いつかない。 井上さんは外部評価を得るために描いているわけではないし、読者の共感を得るために描いているのでもない。 キャラクターたちはある段階からは固有の生命をもって動き始めており、彼らにそのときどきに最適な言葉と表情と動きを与えることがマンガ家の仕事だと井上さんは思っている。 「登場人物が勝手に動き出して・・・」ということは作家でもマンガ家でもよく言うことである。 たしかに、ある程度技術にすぐれたクリエイターなら、彼らが造形した虚構の人物が、物語の中で勝手に動き始め、勝手にしゃべり始めるということはあ

  • 草食系男子の憂鬱 - 内田樹の研究室

    大学の三年生ゼミは「草系男子」について。 先般、四年生のゼミでも同じ主題が取り上げられたので、彼女たちからするとかなり喫緊の課題のようである。 発表後とりあえず全員に聞き取り調査をして、「あなたが知っている草系の実像」についてご報告をうかがう。 いや、聞いてびっくり。 ゼミ生のほとんどの彼氏が「草系」なのである。 特徴は すぐ泣く。 拗ねる。 「どうせぼくなんか・・・」といじける。 かわいこぶる(齧歯類系の「かわいさ」を演じるのが上手) メールに顔文字をたくさん使う。 優柔不断で、「何べる?」「どこ行く?」といった質問に即答できない。 化粧品にうるさい。 肌を美白に保つことに熱心。 ヘア命(ヘアセットができてない姿を見られると、スッピンの女性のように身もだえするらしい) 家族と親密。 などなど。 こういう男子が20代に大量に存在しているらしい。 ううむ、そういうことになっているとは

    kobeni_08
    kobeni_08 2009/06/24
    とりあえず最近のマスコミは見た目か中身が細い男性ならすべて草食系と言ってる件について/いまアラ20の子に男子について聞いたら、「男子は自分から告白しない」って言ってたよ
  • 「父」からの離脱の方位 - 内田樹の研究室

    『1Q84』は記録的な売れ行きらしい。 今の段階で、発売一週間で96万部。 ミリオンを超えることは確実で、『ノルウェイの森』の450万部という記録を塗り替えるかもしれない。 おそらくメディアはこれから、このの文学作品としての意味より、なぜこれがこれほどの社会的な「事件」を引き起こしたのかの方に多くの紙数を割くようになるだろう。 メディアが『1Q84』を「事件」として扱い、膨大な非文学的言説が行き交うようになる前の短い空白の間に、この作品についてまだ誰の感想も聞いていないイノセントな状態で、自分ひとりの感想を書き付けておきたい。 ムラカミ・ワールドは「コスモロジカルに邪悪なもの」の侵入を「センチネル」(歩哨)の役を任じる主人公たちがチームを組んでい止めるという神話的な話型を持っている。 『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』、『アフ

  • 学院標語と結婚の条件 - 内田樹の研究室

    新学期が始まる。 6日に入学式。 飯新学長の「ことば」を聞く。 学長就任の挨拶でもそうだったけれど、学が「キリスト教のミッションを実現するために建学された」という基理念をつよく訴える内容であった。 この時代に大学新入生に向かって「自己利益をどうやって増大させるか」については一言も触れず、「神と隣人を愛し、敬し、仕える」ことを、ほとんどそれだけを説いたスピーチを行うということは、「反時代的」だととる人もいるかもしれない。 でも、私はそう思わない。 これはすぐれて「今日的な」メッセージだと思う。 私たちの社会がこの 20 年で失ったのは「隣人と共生する能力」と「私の理解も共感も絶した超越的境位についての畏敬と想像力」である。 「愛神愛隣」というのは、そのことだと私は理解している。 学長は「学風」「校風」ということにスピーチの中で何度か言及した。 それは具体的な教育プログラムのことではないし

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    kobeni_08 2009/04/12
    相手が信じられないから結婚できないのではなく、自分を信じていないから結婚できないのである。
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