編集者になるのが夢だった 高校時代から編集者になるのが夢でした。でも、新卒で出版社に入れたはいいけど、20代のうちはずっと販売営業、つまり書店と取り次ぎ回り。30歳目前で、念願叶って書籍の編集部に異動できました。 ただ、僕は出向社員でした。というのも、僕がその出版社に入社したあとで、僕の所属する営業部門が別会社として分離独立したからです。要するに、早いとこ編集部のある本社に「転籍」しなければ、いずれは販売営業に戻されてしまう。 出向期間は一般的に3年。その3年の間に、僕がやらなければならないことは何か? 考えた結果、自分にふたつのノルマを課しました。ベストセラーを出すこと、そして社内で表彰されることです。このふたつのゴールを達成できれば、誰も「栗田を営業部門に戻そう」なんて言わないはず。 とはいえ、30歳で編集者1年目ということは、新卒ですぐ編集部に配属された奴に比べて7年ものビハインドが