最新の「現在」を知るならインターネットで事足りる。けれど、ちょっと昔のことを調べようと思うと大変だ。1970年代から90年代の大衆文化を知りたくても、ネットの海にはわずかな情報しか存在しない。頼りになるのは雑誌だが、雑誌専門図書館である「大宅壮一文庫」でも所蔵は限定的だ。「国立国会図書館」でも所蔵していない雑誌は山のようにあるし、オタク文化のアーカイブとなることを期待している「明治大学米澤嘉博記念図書館」も、事業は始まったばかり。多くの出来事が歴史の記録から忘れ去られようとしている。 この連載は、誰もが忘れてしまったであろう雑誌や、そこに掲載された記事、消えた漫画家やら、小説家、ライター、文化人、サブカルスタァを記録することを目的としている。おそらく「これは面白い!」とピンとくるのは100人くらいだと思うけど、ネットにデータとして残しておけば5年後、10年後に役立つのではないかと期待してい