中国の当局者はスローガンが大好きだ。筆者は先月、中国政府の最高幹部や世界の企業関係者、政策に携わる識者が集まる年次総会「中国発展ハイレベルフォーラム」でこのことを思い出させられた。今年のスローガンは「ニューノーマル(新常態)」だ。 ニューノーマルは(筆者の知る限り)、マッキンゼーが2009年に初めて打ち出した概念だ。 高所得国に住む人は今、自国経済のパフォーマンスが根本的に変わったという考えに慣れている。だが、中国人にとっては、ニューノーマルは何を意味するのだろうか。 中国の副首相で共産党中央政治局の常務委員である張高麗氏は同フォーラムで、ニューノーマルを以下のように表現した。 第1に、成長率の低下にもかかわらず、「発展は依然、中国にとって最大の課題だ」。第2に、「大量の投入物、大量のエネルギー消費、外需への過剰依存を特徴とする古い成長モデルは、もはや持続し得ない」。第3に、中国人はまだ重