「もったいない」という日本語が環境を守るための世界共通語になっている一方で、持ち過ぎたモノを捨てようと「断捨離(だんしゃり)」が叫ばれる日本。矛盾しているようにも見えますが、根底にもったいないという思いがあるからこそ、溜め込み、収拾がつかなくなっているのでしょう。そろそろ、モノとの付き合い方を根本から考え直す時代に来ているのかもしれません。 リフォームの時代へ 日本の高度成長期は、大量生産と大量消費の時代でした。技術の革新と目まぐるしい流行の変化によって、新しいものが次々と現れ、消費の欲求を駆り立ててきました。すぐに古びてしまうそんなモノたちに囲まれて、住空間もどんどん狭くなっていきました。 しかし今、そうした大量生産、大量消費という価値観が変わろうとしているようにも思えます。高度成長の後にやってきた低成長あるいは衰退していく経済は、見方を変えると成熟の社会とも言えるものです。人々の価値観