釣り:物議を醸すものを発表し、それに対する反応を引き出した上で「すべては演出であった」と暴露することで全体の流れをひとつのエンターテインメントに変換してみせる手法。 釣りは本質的にエンターテインメントである。高度な計算と迫真性により観客を惹き付け、クライマックスでの暴露により驚愕させる。落胆と安堵と高揚がない混ぜになった不思議な充足感。ある意味ではインタラクティヴアートの極地と言っても良い。 流石に今日では釣りを知らずに接する者も少なく、参加者も予め釣りの可能性を考慮に入れて行動することが多い。だけに綺麗な釣りは益々難しくなっているが、釣り師は釣りを予期されることまで考慮してネタ振りするなどの工夫により全体としての高度なメタネタを完成させてきた。その中には、敢えて怒りを誘うことでネタであることを忘れさせるなどの手法も含まれる。 しかし怒りを利用する手法は諸刃の剣である。怒らせるということは