2014年9月 3日 著作権商標裁判ファッション 「ファッション・デザインはどこまで自由か? ―『自由』であることとオープンカルチャー」 弁護士 中川隆太郎 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 1.はじめに かねてより、模倣に対して比較的寛容だとも言われるファッション業界*1。例えば、トム・フォードは「自分のデザインのコピーを見るほど嬉しいことはない」と発言しています。そもそも、「流行」「トレンド」が生まれること自体、一定の共通したファッションが街に溢れることを許容しているといえます。また、最近では、一部のファスト・ファッションブランドによるハイメゾンのファッション・デザインの模倣が話題になることも少なくありません。 では、ファッション・デザインは完全に「自由」なのでしょうか? 今回のコラムでは、ファッション・デザインの模倣がどこまで許されるのか、裏を返せば、ファッション・デ