少子化対策・子育て支援について記者会見する岸田文雄首相=首相官邸で2023年3月17日午後6時50分、竹内幹撮影 日本で2022年に生まれた子どもの数は80万人を割り、想定より早いペースで少子化が進んでいる。社会の担い手が減って不足していく中、岸田文雄首相が打ち出したのが「異次元の少子化対策」だ。だが、その中身や自民党幹部などの発言を見ると、現状や若者世代との認識の“ズレ”も感じる。識者に取材した。【金志尚】 年頭会見で示した3本柱 岸田首相が「異次元の少子化対策」への挑戦を表明したのは、1月4日にあった年頭記者会見でのことだった。「少子化の問題はこれ以上放置できない、待ったなしの課題だ」。そう切り出すと、6月に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」までに、子ども予算倍増に向けた大枠を示すとぶち上げたのだ。 厚生労働省が2月に発表した速報値によると、22年に生まれた子どもの数は79万97