――近著の中で「運命を変えることは難しいかもしれないが、自分がどう生きるかは自分自身が決めることだ」という言葉があります。コンペで選ばれるかどうかは運命のようなもの。でも結果がどうであれ、そこに挑戦するかどうかは全然別の意味がある。 ニューヨークの大学でも、授業の中でオーディションがありました。本当に上手な人が多いから、なかなか選ばれない。でもそこで最善を尽くすと、ちょっと学べる。圧倒的にうまい人を相手に真剣に戦えば、「ああやればいいんだ」と盗める。そして悔しいけれど選ばれないということは、僕はオリジナルを作れということなんだと考える。だからオリジナル曲を作って、レコード会社を起業するという一人ビジネスを始めたんです。 二十歳だったら、迷いはあった ――悔いや迷いはいっさいない? もし僕が二十歳だったら、迷いはあったと思います。だって、「あれもできる、これもできる」って残酷なくらい選択肢が