フランス革命ではフランソワ・ノエル・バブーフが、「完全平等」の社会を実現するために階級独裁を主張した。1871年のパリ・コミューンは短期間ながら史上初めて「プロレタリア独裁」を掲げた政権となった。 プロイセンの思想家カール・マルクスは、1848年のドイツ革命で、革命勢力が敗北したプロセスを観察し、革命勢力が立法権のみの掌握にとどまり、それを執行する実体的な権力(行政権や軍事力)を掌握しなかったために旧支配階級の反革命を防げなかったことに敗因の一つを見て、革命の過渡期における「労働者階級による権力掌握」「プロレタリアートの政治支配」の必要性を強調した。マルクスはその後のパリ・コミューンにおいてその政治形態の端緒を発見した。ここから、立法権だけでなく行政権をふくめたすべての権力を労働者階級が掌握すること──これを比喩するため、立法権も行政権も掌握した共和政ローマの独裁官(ディクタトル)になぞら