「カーリングのストーンは曲がる」。 カーリングをテレビなどで見たことがある人は、これだけを聞いても疑問が湧いたり、不思議に思ったりはしないだろう。むしろ「何を当たり前のことを・・・」という反応の方が多いのではないか。 ところが、物理学者はストーンが曲がることに”気持ち悪さ”を感じるようなのだ。 正確に言うならば、ストーンが曲がる「方向」に気持ち悪さがあるらしい。 しかも、その気持ち悪さが100年近くにわたり、「世紀の謎」として学者たちを悩ませてきたという。 私の物理学の理解は高校時代で止まっている、と言いたいところだが、正直なところその理解すら怪しい。とはいえ、その「世紀の謎」が解明されたと聞けば取材せずにはいられないだろう。 まずは謎を謎としてとらえるところからはじめよう。 カーリングは、取っ手の付いたおよそ20キロの石「ストーン」を、およそ37メートル先にある「ハウス」と呼ばれる円めが