<96年暮れ、内戦真っただ中のアフガニスタン入り。旧ソ連製ミグ戦闘機の前で> およそ10年前。イラク戦争が勃発したバグダッドに入り、通信社の記者として34日間にわたって現地の様子を生中継で伝えた山本美香さん。紛争地取材のスペシャリストの振り出しは、アフガニスタンだったという。96年末、タリバン政権と反タリバン勢力が対峙(たいじ)した内戦真っただ中に飛び込んだ。 険しい表情の山本さんが右手を掛けているのは、旧ソ連製のミグ戦闘機。左手に持っているのは、砂ぼこりよけにアフガンスカーフを巻きつけたビデオカメラ。アフガニスタン北部のマザリシャリフで97年1月に撮影された。モコモコと着込んでいるのは寒さ対策もあるが、ボディーラインを隠すため。“女性らしさ”の露出を嫌うイスラム圏で無用なトラブルを回避する気遣いだった。 「初めての戦場取材で、いま思えばずいぶん肩に力が入ってますね。私、怖い顔してる