世界各地の60種約150羽のニワトリの剥製(はくせい)がずらり――。そんな展示会「鶏(とり)づくし」が、文京区湯島4丁目の区教育センターで開かれている。東京大学総合研究博物館が収蔵する世界的にも珍しい剥製コレクションを一挙に公開した。 東京都文京区が2012年から同博物館と始めた大学連携事業の一環だ。今回は、動物の解剖や進化史を専門とする遠藤秀紀教授が企画。人とニワトリの関係を探るため世界中から集めた剥製約250点の中から150点を紹介した。これだけの数が一気に披露されるのは初めてという。 遠藤さんによると、ニワトリは4千年前のインダス文明のころには人に飼われていた。日本では平安時代の文学に時を告げる鳥として登場。闘わせる「闘鶏」も盛んだったようだ。 「ニワトリは卵を産むし肉もうまい。抱いて運べ、どこでも簡単に飼える。声や姿も美しい。単なる家畜というより、人に愛され、人の生活や精神世界に入