予算確保に悩む海上保安庁が、来年度から大型巡視船の新造を当面あきらめ、船齢30年のロートル化した船艇を近代的に改装して延命させていくことにした。「民間では、こんな古い船を使い回すことはありえない」(海保幹部)という節約ぶり。浮いた予算は、比較的小型の新鋭船建造に回すという。 延命措置の第1号となるのは、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)所属の巡視船「そうや」(約3100トン)。ヘリを搭載できる大型船で、砕氷能力を持つ。就役は1978年と海保で最も古い部類に入る。北方の守りを長年担ってきた結果、配管に穴が開くなどのトラブルも起きている。公称速力約21.0ノット(時速約39キロ)だが、エンジンも弱くなり高速走行が難しいという。 通常なら、代替船艇の新造となるが、「そうや」並みだと、1隻百数十億円。海保の新造費は年約270億円しかなく、代替船艇より汎用性の高い1000トン、350トン級などの高