映画「無頼」シリーズやテレビドラマ「西部警察」などで人気の俳優で、石原プロモーション前社長の渡哲也(わたり・てつや、本名・渡瀬道彦=わたせ・みちひこ)さんが10日、肺炎のため死去した。78歳。葬儀は家族で営んだ。故人の遺志でお別れの会などは開かない。 兵庫県出身。青山学院大在学中の1964年、所属していた空手部員が勝手に応募したオーディションのため撮影所に行き、食堂でスカウトされて日活入り。65年に「あばれ騎士道」(小杉勇監督)で宍戸錠さん演じる主役の弟役でデビューした。同年の「青春の裁き」(同)に主演、日本映画製作者協会(当時)新人賞に輝き、以後、「東京流れ者」(鈴木清順監督)や「愛と死の記録」(蔵原惟繕監督)などに立て続けに出演し、日活のニューアクションスターの一人となった。舛田利雄監督の「『無頼』より 大幹部」では一匹オオカミの若いやくざを鮮烈に演じ、シリーズ化された。 71年に日活