近年不漁が続くイカナゴのシンコ漁。シンコの餌となる動物性プランクトンが減っていることも一因とされる。現状を何とか改善しようと、明石と淡路の計8漁協でつくる鹿ノ瀬会は15日、漁場の播磨灘で初めて餌まきを実施した。「少しでも今後につながってほしい」。漁師らは切実な思いで見守った。(赤松沙和) シンコは年々漁獲量が減少。資源確保のため、今春の播磨灘での漁は1日のみとなり、大阪湾では漁自体を見送った。漁師らは強い危機感を抱く。
近年不漁が続くイカナゴのシンコ漁。シンコの餌となる動物性プランクトンが減っていることも一因とされる。現状を何とか改善しようと、明石と淡路の計8漁協でつくる鹿ノ瀬会は15日、漁場の播磨灘で初めて餌まきを実施した。「少しでも今後につながってほしい」。漁師らは切実な思いで見守った。(赤松沙和) シンコは年々漁獲量が減少。資源確保のため、今春の播磨灘での漁は1日のみとなり、大阪湾では漁自体を見送った。漁師らは強い危機感を抱く。
ニホンジカが高密度で生息する地域では、野生植物が著しく減少しており、生物多様性を保全する上での大きな問題になっています。 ニホンジカは草食性の大型哺乳動物です。北海道から沖縄にかけて広く分布しているほか、中国、ロシアなどの外国にも生息しています。形態などの性質が地域によって異なるため、ニホンジカは複数の亜種に分類されています。例えば、本州に生息する亜種はホンシュウジカと呼ばれています。 ニホンジカは植物の葉や茎、樹皮、果実などを食べて生活しています。このため、ニホンジカの高密度生息地域では山野に生育する野生植物が著しく減少してしまうのです。しかも、近年はこのような地域が急激に増加しています。その結果、ニホンジカの食害による野生植物の減少と生物多様性の喪失が全国的な問題になってしまったのです。また、ニホンジカは農作物を好んで食べるため、農作物被害も全国各地で深刻化しています。 野生植物の減少
神戸市立王子動物園(同市灘区)は1日、飼育していたジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、28歳)が死んだと発表した。人間では100歳近くに相当し、国内最高齢だった。2020年に中国からの借り受け契約がいったん満了したが、新型コロナウイルス禍や、21年に見つかった心疾患の影響で返還が延期に。阪神・淡路大震災の5年後から24年近くを過ごした神戸で最期を迎えた。 3月31日深夜、心肺停止となり心臓マッサージなどの蘇生処置をしたが、同日午後11時56分に死んだことが確認された。心疾患に起因する衰弱死とみられ、詳しい死因は今後調査する。 タンタンは00年7月、日中共同繁殖飼育研究を目的に雄の初代「コウコウ(興興)」と来園。震災で被災した市民を元気づける存在となり、多くのファンに愛された。02年に来園した2代目コウコウとの人工授精に2度成功したが最初は死産で、08年に産んだ赤ちゃんも3日後に死ん
日本維新の会の県組織・兵庫維新の会は13日、宝塚市の田中美由紀市議(37)=1期目=が、議員に就任する前に同会の事務員を務めていた時期に物品や党費を着服したとして、除名処分にしたと発表した。田中氏は事実関係を認め、議員辞職する意向を示しているという。 兵庫維新によると、田中氏は同会事務局で経理担当だった2019年1月~22年4月ごろ、私的に使う目的で文具や芳香剤、電池、シャンプーなどを経費で購入。一部はフリマアプリ「メルカリ」で転売していた。また架空の伝票を作成し、現金数十万円を引き出していたという。 兵庫維新が過去の帳簿を見返す過程で不可解な経理処理が見つかり、担当者だった田中氏に問い合わせたところ不正行為を認めたという。田中氏は「生活費などに使った。議員辞職を考えている。宝塚市民には申し訳ない」などと話したという。兵庫維新の横田英樹幹事長は刑事告訴について「田中氏の対応を見極めた上で検
火災の発生を受け、消防隊員が次々と棒につかまって、するりと階下に下りて出動していく。映画やテレビドラマで、こんな場面を見たことのある人は、多いのではないだろうか。その「滑り棒」が、全国の消防署などから姿を消しつつある。なぜ使われなくなっているのか。現状を調べた。(斉藤正志) ■兵庫は加古川が最後か 今も滑り棒があると聞き、兵庫県加古川市加古川町本町の中央消防署に向かった。 2階の事務室の一角。案内してくれた仲宗根浩副署長が、重そうなロッカーを動かすと、チェーンをかけたドアが現れた。 ドアを開けると、そこに銀色の滑り棒があった。 「落ちないように気を付けてください」と仲宗根副署長。滑り棒に手をかけながら下をのぞき込むと、その高さに足がすくんだ。約5メートルはあるという。 事務室の別の場所にも滑り棒があり、こちらはドアの前にコピー機があった。 1階の消防車両用の車庫に向かうと、固定されたロッカ
初当選を確実にし稲村和美市長(左)から花束を受け取る松本真氏=20日午後、尼崎市七松町3(撮影・斎藤雅志) 任期満了に伴う兵庫県尼崎市長選は20日投開票され、現職後継の無所属新人で前市教育長の松本真氏(43)が、日本維新の会公認の新人で社会福祉法人理事長の大原隼人氏(44)を破り、初当選した。松本氏は兵庫県内の現役首長では最年少となる。投票率は過去最低だった前回を8・06ポイント上回る32・77%だった。 松本氏は静岡県出身で元文部科学官僚。今年7月、3期12年を務める稲村和美市長(50)の後継として立候補を表明した。 選挙戦では白井文前市長から2代20年にわたる行財政改革の成果を踏まえ「尼崎を次のステージへ」と訴えた。長年続く子育て世代の転出超過への対応が争点になる中、教育長としての経験と実績を基に「教育の質を向上させ、子育て負担を軽減する」と強調。18歳までの医療費無償化や待機児童ゼロ
「東の浅草・西の新開地」。戦前、戦後、神戸随一の繁華街として栄えた新開地(神戸市兵庫区)。仕事を求める労働者が全国から押し寄せ、まちには数多くの簡易宿泊所(通称・ドヤ)が並んだ。にぎわいは三宮へと移り、バブル崩壊、阪神・淡路大震災、リーマンショックなど、平成に入り幾度となく襲いかかる苦難の中で、まちは“縮み”、労働者は姿を消した。新開地に唯一残る簡易宿泊所「三和ホテル」を訪ねた。(西竹唯太朗、杉山雅崇) ■アンコの足音で目が覚めた ホテルに向かう前、にぎわいを見せていた頃の様子を地元の人に聞いてみた。 「50年ほど前には“アンコ”が2、3千人おって、足音で目が覚めた」。祖父の代から新開地で理容院を営む高四代さん(72)が語る。高さんいわく、地元では、日雇い労働者のことをアンコと呼んだ。かつては新開地南部に、手配師が日雇い労働者を集める「寄せ場」が数多くあり、100台を超すマイクロバスが市内
伊丹労働基準監督署(兵庫県伊丹市)から是正勧告を受けながら改善しなかったことについて、「パティシエ エス コヤマ」の広報室は「代表の小山進は当初、是正勧告を受けたことを知らなかった」と説明した。 同社によると、2018年1月に勧告を受けた際は、当時の管理本部の部長が対応。小山氏は報告を受けていなかったといい、広報室は「部長が是正報告書に小山の印鑑を押して労基署に提出したとみられる」と説明。部長は19年に退職しており、勧告の事実は他の社員も知らなかったという。 21年1月に再び勧告を受けた際には、現管理本部次長が対応。同監督署が来たことは小山氏に伝えたが、「小山は勧告を受けたことを知らなかった。社員の勧告に対する認識が浅かった」とした。長時間労働については「社員は『学びたい』と来てくれ、会社としてもしっかり技術を身につけてほしいと思っており、そこがかみ合っていると考えていた。だが、法律の範囲
兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)が、65歳以上の優先者でないにもかかわらず、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けていたことが12日分かった。山名町長は神戸新聞の取材に「町が設置する神崎総合病院の開設者として、会議などで同病院を訪れる機会が多いため」と説明している。 町によると、前田義人副町長が4月下旬、院内での感染リスクを考慮して「町長はワクチン接種を受けなくてもよいか」と病院側に相談。町職員でもある病院事務長から「キャンセルが出たワクチンで対応できる」と返答があり、受けることを決めたという。 神河町のワクチン接種は医療従事者や高齢者施設の入所者らから実施。それ以外の約3800人については基礎疾患のある65歳以上を優先し、5月6日から集団接種を始めた。山名町長はその初日に1回目の注射を受けた。 神戸新聞の取材に、山名町長はいったん接種を否定した後、撤回。「病院運営に支障が出ないよう接種
任期満了に伴う兵庫県宝塚市長選が11日、投開票され、中川智子市長から事実上の後継指名を受けた無所属の弁護士山崎晴恵氏(51)が初当選した。県内4人の女性首長数は保たれた。維新が県内初となる首長誕生を目指して8年ぶりに公認候補を立て、7月にある県知事選の前哨戦として総力を挙げたが、接戦の末に敗れた。投票率は42・65%で、前回を3・52ポイント上回った。 宝塚市長選には4人が立候補。山崎氏は「人に優しく、福祉に手厚い市政を守る」と中川市政の継承を掲げ、「オープン宝塚」をキーワードに情報公開の徹底や新産業の創出を訴えた。立憲民主党、共産党、社民党の支援を受け、無党派層にも支持を広げた。 選挙前には、7月の知事選を巡って維新の県組織「兵庫維新の会」が、前大阪府財政課長の斎藤元彦氏に立候補を要請。宝塚市長選を「兵庫攻略に向けた戦い」と位置付け、総力戦を展開した。馬場伸幸幹事長や片山虎之助共同代表、
兵庫県新温泉町三尾の住民でつくる「御火浦村おこしグループ」が、地元産スルメイカをこうじなどで約1カ月漬けた「イカのなれずし」を使った「いかの樽寿司(たるずし)」の出荷作業を進めている。三尾地区に伝わる冬の保存食。但馬の道の駅や、同町浜坂のまち歩き案内所「松籟庵(しょうらいあん)」、農産物直売所「たじまんま」(豊岡市八社宮)などで販売している。(末吉佳希) 同グループが約10年前から製造している。名前は「すし」だが、ごはんは入っていない。 地元漁協から仕入れた約30センチのスルメイカに塩をふり、天日干しにした後、昨年12月中旬に米やこうじ、唐辛子と一緒に樽に漬け込んで発酵させた。例年より気温が高く、発酵が進み過ぎる不安があったため、漬け込む期間を短めにしたという。 同グループが拠点とする保育所跡地での作業には女性メンバー約10人が参加。漬け込んだイカを取り出して形を整え、パックに詰めた。副代
東京から兵庫県淡路島への本社機能移転を進める総合人材サービスのパソナグループは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年春の就職が決まっていない学生約千人を契約社員として採用する。 最長2年間、淡路島のパソナ事業所で働きながら、ビジネスマナーや社会人としての教養を身に付けてもらう。再び就職活動をする際にハンディとなる経歴の空白期間ができないよう支援する。 同社の広報担当者は「週30時間のシフト勤務に加え、研修を付ける。原則として島内の社員寮で暮らすことになる」と説明。給与月額は大学・大学院卒が16万6千円、短大・専門学校卒が16万1千円、高卒15万6千円。同社での継続雇用も想定し、地域活性化につなげるとしている。 同社は、島内で若い世代の就農支援事業や体験型テーマパークの運営を手掛ける。コロナ禍を受けて働き方を見直すとし、24年5月までに東京から管理部門の社員約1200人が移る計画を進
1941(昭和16)年12月8日のハワイ・真珠湾攻撃で戦死認定された航空兵55人には、冷徹なまでの「死後の選別」があった--。79年前のきょう、太平洋戦争の戦端を開いた戦果を受け、攻撃に加わって亡くなった彼らに対し、軍部は異例の「2階級特進」を適用した。だが、この処遇から6人だけが除かれ、1階級の進級にとどまっていたことが分かった。敵前逃亡など、あからさまな咎(とが)があったわけではない。同じ作戦に基づいて、同じ戦闘に、同じ航空部隊から参加して命を落とした兵士に、なぜ明確な格差が生じたのか。(小川 晶) 神戸新聞社の神戸本社11階、文化部フロアの片隅に、年季の入った1台のコンピューターがある。1990年代のデスクトップパソコンのような、厚みのある外観。社内では「マイクロフィルム」の名で通る。過去の新聞記事が焼き付けられたフィルムを、コマ送りで見ることができる装置だ。 航空機事故を取材する新
教師の生徒に対する体罰があったとして謝罪する田中誠・長尾中学校校長(右)と森恵実子教育長(右から2人目)=13日午前、宝塚市役所(撮影・村上貴浩) 兵庫県宝塚市立長尾中学校で柔道部の男性顧問が1年生の男子部員2人に柔道技でけがを負わせた事件で、逮捕された同校教諭(50)が生徒への体罰で過去に3度の懲戒・訓告処分を受けていたことが同市教育委員会への取材で分かった。13日に会見した同市教委の森恵実子教育長は「体罰はもちろん、威圧的な態度や言動を注意してきたのに不十分だった」「生徒の心と体に大きな傷を負わせた」と述べ、陳謝した。(大盛周平、名倉あかり、久保田麻依子) 市教委は会見で、教諭が入部間もない生徒1人に10回以上投げ技や寝技を掛け、途中で失神すると、ビンタをして起こし、さらに投げ技を繰り返したと説明。仮入部中のもう1人にも寝技を掛け続けたという。副顧問は恐怖を覚えて止められなかったとし、
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