なぜ旧統一教会は自民党議員にアプローチするのか。宗教学者の島田裕巳さんは「信者は、選挙活動を手伝うことが神の側の勝利に貢献するものと信じている」という――。 ※本稿は、島田裕巳『新宗教 戦後政争史』(朝日新書)の一部を再編集したものです。 旧統一教会の自民党への影響はどれほどか 旧統一教会がさまざまな形で自民党の議員と関係を持つ試みをしてきたことは事実だが、果たして実際の影響力はどれだけのものなのだろうか。 200万人を超える創価学会が、多くの票を稼ぎ出し、公明党の議員、さらには連立を組む自民党の議員が選挙で当選することに大きく貢献してきたことは間違いない。 だが、その100分の1程度の旧統一教会に、絶大な集票能力があるはずもない。教団の関係者は、議員に対して、あたかも大きな力があるかのように見せかけたかもしれないが、多くの信者を抱えているわけではないので、稼ぎ出せる票も限られている。 自