前回は、統計データ等を使い、日本の雇用の現状と、雇用における世代間格差について見てきた。そこには、「右肩上がりの経済の中で増え続ける仕事」というすでに存在しないイメージを元に、旧来の価値観で現在の若者を批判する中高齢労働者の存在があった。しかも彼ら彼女らは日本の雇用慣行のお陰で余程のことがない限り現在の仕事を失うことのない立場に立ちながら、仕事のない若い世代に対して容赦無い言葉を浴びせ続けている。 イスの数が参加者よりも速いペースで減少している 今回は、雇用における世代間格差のうち、新卒一括採用について考察を加える。 現在の日本からは残念ながら雇用が急速に失われており、かつ今後も減少が予想されている。もちろん、少子化の進行により、労働者の頭数自体の減少も進行するものの、マクロの失業率が上昇しつつあるということは、雇用の減少の方が労働者数の減少よりも速いペースで進んでいることを意味している。