原発事故などについて、「デマに騙されるな」という言い方が政府からツィッターに至るまであり、デマ言説をまとめて注意喚起に努めている人も大勢いる。それ自体はもちろん大事なことだけど、そもそもデマが広まる温床を拡大させるような言説についても、厳しい批判の目が向けられる必要がある。つまり、首相と閣僚はこの期に及んで「政治主導」のパフォーマンスしか考えていないとか、官僚や東電が都合の悪い情報を隠しているとか、「利権」「癒着」によって保身的な行動に走っているとか、テレビで「ただちに健康被害はない」と解説している専門家は「御用学者」でしかないとか、そういうものである。 言うまでもなく、こうした批判は真実を含んでいることがあるとしても、結局は根拠のない主観的な印象論でしかない。「利権」「癒着」に至っては、繰り返すように政府の予算が投入されている分野すべてに見出させるというしかないし、少なくとも緊急の問題解