2000年に開かれた第40回の日本寮歌祭=東京都千代田区の日比谷公会堂(日本寮歌振興会提供) 戦後、廃止された旧制高校の卒業生たちがそれぞれの寮の歌を披露する「日本寮歌祭」(日本寮歌振興会主催)が11日、50回目の今回を最後に歴史に幕を下ろす。参加者の高齢化が進んだためだ。学帽や学生服姿で「バンカラ」の象徴とも言われた旧制高校や大学予科など57校の卒業生ら約千人が、青春時代の思い出を歌い上げる。 日本寮歌振興会長で内科医の神津康雄さん(91)=東京都世田谷区=はボロボロの袴(はかま)を着て参加する。最終回を記念し、自宅の押し入れから20年ぶりに取り出した。 1938年に旧制山形高校に入学し、学生寮で3年過ごした。「雪に囲まれた狭苦しい寮で、友人と肩を組んで寮歌を歌った。今も当時の思いがよみがえります」 文部科学省などによると、旧制高校は1894年に始まり、ピーク時には39校を数えた