秋の夜長は読書とブログ 読書について 他二篇 (岩波文庫) 「読書は、他人にものを考えてもらうことである」 現代ではよしとされている多読に対して批判的な意見を述べた本書は、筆者の死から百年以上経った今でも増版が続けられている良書である。ただひたすら本を読んで知識を得るのはよろしくない。自分の頭で考えて考えて考え抜いて読書は効能を発揮する。 明快で隙のない語り口はどこかリーガルハイのコミカドを思い出す。 秋の夜長にふと読書のあり方について立ち返ってみるのもいいかもしれない。 しなやかな精神を得るために さて、岩波文庫の「読書について」は三篇で構成されている。「思索」「著作と文体」そして「読書について」だ。二番目の話はドイツ語の変化に対する筆者の憂いや怒りが記されているものなので今回の記事では言及はしない。しかしはじめの話は後の読書についてに繋がるパーツも持っているので紹介したいと思う。 筆者