動向レビュー マラケシュ条約 ―視覚障害者等への情報アクセスの保障に向けたWIPOの取り組み 日本障害者リハビリテーション協会:野村美佐子(のむら みさこ) はじめに 2013年6月27日に、世界知的所有権機構(WIPO)が開催したモロッコのマラケシュにおける外交会議において、「盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約(仮訳)」が採択された(1)(E1455参照)。6月28日には、129の加盟国が最終文書を採択し、条約には51の加盟国が署名した(2)。この条約の背景には、アクセシブルな形態の複製物の製作・頒布およびこれらの複製物の国境を越えた流通の促進に向けた世界盲人連合(WBU)のWIPOへの働きかけがあった。また障害者団体や図書館団体だけでなく、著作権者団体や出版社団体を巻き込んだ「ステークホルダ
「視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するためのマラケシュ条約」(以降、「マラケシュ条約」)は、世界知的所有権機関(WIPO)が管理する視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するための国際著作権条約で、正式な名称は”Marrakesh treaty to facilitate access to published works for persons who are blind, visually impaired, or otherwise print disabled)”(文化庁による日本語仮訳「視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するためのマラケシュ条約」)です。モロッコのマラケシュで行われた外交会議において2013年6月28日に採択されました。 マラケシュ条約の正式な条文はWIPOのサイトの以下でみることができます。 Marrakesh Treat
6月18日から28日まで,モロッコのマラケシュにおいて,視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するための条約成立のための外交会議(議長:ムスタファ・カルフィ モロッコ王国通信省大臣)が開催されました。概要は以下のとおりです。 1.新条約(視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するためのマラケシュ条約(仮称)(Marrakesh treaty to facilitate access to published works for persons who are blind, visually impaired, or otherwise print disabled))の概要 (1)採択までの経緯 WHOによれば,世界中に視覚障害者は3億1400万人おり,そのうちの90%は発展途上国に居住しています。2006年の世界知的所有権機関(WIPO)の調査によれば,60か国未満
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