1 「中華古典籍保護計画」とは 「中华古籍保护计划(中華古典籍保護計画)」とは、国務院と文化部により2007年に正式にスタートした、漢籍を含む中国の古典籍のよりよい保存と利用を実現するための大規模プロジェクトである。第11次5カ年計画("十一五"2006-2010年)期間中を通じて、各種の事業が進められてきた。第12次5カ年計画("十二五"2011-2015)がスタートした2011年以降も、いくつか新しい内容は見られるが、基本的には"十一五"に着手した事業の発展・継続が掲げられている[1]。 2007年1月の国務院辦公庁「关于进一步加强古籍保护工作的意见(古典籍保護を一層強化することに関する意見[国办发[2007]6号])」では、非常に多岐にわたる事業が提示されている[2]が、①古典籍の目録化、②人材育成を含む保存のための環境整備、③デジタル化などによる利活用といった分野に大別できる。この