■概要 デジタルアーカイブとは、書籍や記録などの文字情報だけでなく、映像や音楽など様々なアナログ情報をデジタル情報として収集・蓄積・保存・提供することである。アジアの一部の先進国、新興国において積極的な取り組みがみられるが、特に韓国において先進的な取り組みが行われている。本稿では、韓国のデジタルアーカイブに関する法制度や歴史から、現在の取り組みを振り返り、今後の発展について概説する。 韓国では、日本よりも早くデジタルアーカイブを情報政策の重要テーマとして位置づけ、国・地域をあげて取り組んできた。国内に散在している知識や情報を体系的に管理・保存し、活用していくことは国家競争力の向上や国民経済の発展に寄与するものだとして、法制度の整備、あるいは組織体制の構築、国立デジタル図書館の設立などを積極的に行った。その結果、現在韓国では、行政・企業・国民がデジタルアーカイブによる様々な恩恵を享受できる基