「警備」を仕事にする会社のトップでも、自分の身は守れなかった……。あまりに異常な解任劇の舞台裏を追うと、不気味なその過程が浮かび上がってきた。当事者たちが語った「証言」を紹介しよう。 「逆鱗に触れてしまった」 社長と会長が二人同時に解任される—。 大手警備保障会社セコムで、そんな前代未聞のトップ人事が断行された。 セコムの業績は4期連続の最高益を更新するほどに絶好調。それなのに、会社を率いてきたトップ二人がともにクビを切られるのは不自然……。 さっそく、その「背景事情」をめぐって様々な噂が飛び交った。 「まず言われたのは、二人が創業者で取締役最高顧問である飯田亮氏の逆鱗に触れてしまったという話でした。4月初旬に飯田氏の名前が『パナマ文書』にあると騒がれた際、その対応をめぐって飯田氏と会長、社長側で『食い違い』が出たと」(セコム関係者) パナマ文書は、富裕層による租税回避地利用の実態を暴露し