身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」による企業へのサイバー攻撃が相次いでいる。デンソー子会社の被害をはじめ、攻撃者グループが利用しているのが、秘匿性が高いインターネット空間「ダークウェブ」だ。情報セキュリティーの専門家に見てもらうと、世界中の企業が標的として名指しされ、その中に愛知県に本社を置くメーカーの米国法人二社の名前もあった。 (鈴木凜平) 「New target company(新たな標的の企業)」。青と白を基調にしたありきたりに見える画面だが、ここはダークウェブにある攻撃者グループ「ローレンツ」のサイトだ。標的として欧米の企業名が並ぶ中に、愛知県三河地方に本社がある...
デンソー海外子会社がサイバー攻撃の被害に遭い、情報流出が確認された。自動車部品メーカーはサイバー攻撃を受けると、完成車メーカーを含めてサプライチェーン(供給網)全体に影響が及ぶ恐れがあるため標的となる例が絶えない。相次ぐ被害を受け、業界団体はサイバーセキュリティー対策の指針を二〇二二年度中に改定する。 身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」による攻撃は金銭が目的だ。情報を盗み出した上で、公開されたくなければ金銭を支払うように求めるのが一般的で、影響力のある企業が狙われるケースが多い。規模の大きさから「メガサプライヤー」と呼ばれるデンソーは、昨年末にもメキシコの子会社がランサムウエアによって情...
トヨタ自動車の仕入れ先企業が身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」とみられるサイバー攻撃を受け、トヨタの国内全十四工場が稼働停止した問題で、社内サーバーに被害を受けた小島プレス工業(愛知県豊田市)が、身代金を要求される前にネットワークを遮断し、攻撃者側に金銭を支払っていなかったことが関係者への取材で分かった。 小島プレスでは二月二十六日午後九時ごろに社内サーバーの障害が発生。関係者によると、午後十一時ごろ、サーバーを再起動すると、画面に英文で「このリンクにアクセスしないと情報を公開する」という趣旨の脅迫文が表示された。この時点でシステムのウイルス感染が確認されたが、金銭の要求はなかった。 同社は翌二十七日未明、専門家に相談した上で、さらなる攻撃を防ぐためにネットワークを遮断した。部品の受発注を行うシステムが使えなくなり、トヨタは三月一日に国内全工場の稼働を停止。暫定的な代替システムを立ち上
病院や自治体などが「サイバー攻撃」の被害を受けるケースが増えている。徳島県の公立病院では、電子カルテが使えなくなって通常の診療ができない事態も発生。愛知県の病院では、患者の個人情報が流出した恐れも出ている。攻撃手法は年々高度化しており、専門家は対策強化の必要性を訴える。 徳島県つるぎ町立半田病院が、突然のサイバー攻撃を受けたのは十月末。プリンターが勝手に印刷を始めた。「データを盗んで暗号化した。データは公開される。復元してほしければ連絡しろ」と英語で印字され、紙が尽きるまで続いた。 システムに侵入して情報を暗号化し、復旧と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したのが原因。約八万五千人分の電子カルテが暗号化されて閲覧できなくなった。紙のカルテで診療を続けているが、地域の中核病院は、新規患者の受け入れ停止に追い込まれた。
南アフリカ共和国に周囲を囲まれた小国・レソト王国と日本の縁を浜松市から広げようと市民発で立ち上がった「日本レソト王国協会」(同市南区)が、新型コロナウイルス禍の中で地道な活動を続けている。二十六日には、レソト王国を紹介する無料のオンライン講座を開く。会長の伊藤千明さん(65)は「『いつかレソトに行ってみよう』と思う人が一人でも増えれば」と期待を込める。 (酒井大二郎) 講座は浜松国際交流協会と共にビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」で開く。目玉は、大学を休学して現地で教育プロジェクトに携わる渡辺莉瑚(りこ)さんによる講演だ。「女子大生の私が天空の王国レソトに魅せられた理由」と題し、アフリカ屈指の絶景を誇る同国の様子をリポートする。 日本レソト王国協会は昨年十二月に発足。市内で看板の設計・施工会社を経営し、二〇一八年に現地訪問した経験を持つ伊藤さんを中心に「そもそも知っている人が日本にほと
スマートフォンなどで無料で聴ける音声配信メディア「ポッドキャスト」で、二〇一七年八月から番組を配信する。題して「大学病院の医者が教える医療の話」。特にコロナ禍の今は、感染症専門医として、科学的根拠に基づいた情報発信に力を注ぐ。一回五〜十分で、毎週更新している。 市民や医学生に、医療の現状や課題について正確に知ってほしいと思ったのがきっかけだ。「音声の配信なら何かをしながらでも気軽に聴いてもらえる」とポッドキャストを選んだ。病院再編や医学部入試の性差別など注目の医療ニュースも解説するが、昨年以降、聴取者の関心が高いのは、やはり新型コロナウイルス関連だ。最新論文を読み込んでは、変異株の特徴、国内...
人工子宮の可能性提案 十五、十六両日にオンラインで開かれた、技術や科学を生かした発想を出し合う「ハッカソン」のフォーラムに、小松大谷高校二年の渕上駿介さん(16)が参加し、所属チームのアイデアが審査員賞を獲得した。(坂麻有) フォーラムは「The 2nd Scienc−ome XR Innovation Hub」。慶応大(東京)の研究者らでつくる団体が開いた。百年後のよりよい世界を想像することを目的に、各チーム八人前後の十二チームに、それぞれ解決すべきテーマが与えられた。渕上さんのチームは、女性の健康の課題を技術で解決する「フェムテック」だった。 チームのメンバーは主催者側が決め、オンライン会議では、モニターに顔を映さず、分身(アバター)を用いた。社会人や大学教授も参加していたといい、「知識量の差を実感した」と渕上さん。自分でもフェムテックの製品やサービスを調べ、理解を深めた。計四時間かけ
トヨタ自動車で自動運転や月面探査車両などを担う先進技術開発カンパニーが昨年末まで三カ月間、地域貢献と社員研修の一環で取り組んだ「プロボノ」。研修先企業の選定や活動の支援をしたのが、社会人の副業・兼業や学生のインターンシップ(就業体験)など多様な働き方を支援するNPO法人「G−net」(岐阜市)だ。南田修司代表(37)は「一人一人が仕事の意味を見つめ直すきっかけになったことが一番の成果」と語る。(聞き手・安藤孝憲) 「人事室の人が私たちの活動を知っていて『外の世界を知るきっかけにしたい』と声が掛かった。新型コロナウイルス拡大のさなかでもあり、打撃を受けた地場産業の支援を目的に掲げた。しょうゆ屋や鬼瓦の工房など派遣先五社をこちらで選び、トヨタ社内で選考された十五人が参加した」
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く