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2011年7月5日のブックマーク (2件)

  • 暴言と知性について - 内田樹の研究室

    復興相が知事たちに対する「暴言」で、就任後わずかで大臣を辞任することになった。 この発言をめぐる報道やネット上の発言を徴して、すこし思うことがあるので、それについて書きたいと思う。 松大臣が知事に対して言ったことは、そのコンテンツだけをみるなら、ご人も言い募っていたように「問題はなかった」もののように思われる。 Youtube で見ると、彼は復興事業は地方自治体の自助努力が必要であり、それを怠ってはならないということを述べ、しかるのちに「来客を迎えるときの一般的儀礼」について述べた。 仮に日語を解さない人々がテロップに訳文だけ出た画面を見たら、「どうして、この発言で、大臣が辞任しなければならないのか、よくわからない」という印象を抱いたであろう。 傲慢さが尋常でなかったから、その点には気づいたかもしれないが、「態度が大きい」ということは別に政治家が公務を辞職しなければならないような

  • 情熱の延命措置 - 傘をひらいて、空を

    なんだかデートみたいですねと私は言い、デートじゃいけませんかと彼は言った。私は彼と彼の背後にいる、物理的な背後ではなく観念としての背後にいる彼女を見た。彼女は私の古い友人であり、彼は彼女の恋人で、もう四年近く一緒にいるのだった。彼らはともに誰かの幻想のように洗練されていて、彼らが一緒にいるのを見るたび、広告写真みたいだと私は思った。売りたい商品のない手持ち無沙汰のコマーシャルみたいなふたり。 いいですよデートでも、と私は言い、彼の表情を確認する。ものごとの順調な進行を見守りその順調さに満足している人の顔だ、と思う。ベルトコンベアの動きを確認する工場長の顔。 彼は多くのベルトコンベアを複雑なかたちに張り巡らせて欲しいものを手に入れようとしていた。彼はあきらかに私を見くびっており、私が彼の思惑どおりに動くことを当然ととらえているように思われた。私の生活に不足しているものを推定して与えてやれば私

    情熱の延命措置 - 傘をひらいて、空を