タイ現代アートの現在・過去・未来現代アートの世界においては、西欧中心主義的な在り方への問題意識が高まり、グローバル・サウスの存在感はますます高まっている。東南アジアに位置するタイも、アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul、1970〜)やミット・ジャイイン(Mit Jai Inn、1960〜)といったスター作家や、若手のコラクリット・アルナーノンチャイ(Korakrit Arunanondchai、1986〜)をはじめとするアーティストたちが国際的に活躍し、日本国内でもたびたび紹介されている。こうした現在へと至るタイの現代アートシーンを長年に渡って支え続け、国際的なプレゼンスを高めることに一役を買ってきたのが、アピナン・ポーサヤーナン(Apinan Poshyananda)だ。 1956年にバンコクで生まれ、イギリスのエディンバラ大学やアメリカの