最大震度7を観測した能登半島地震で、国や県の指定文化財のうち、被害を受けた可能性のあるものが石川、富山、新潟の3県で計1499件に上ることが東北大災害科学国際研究所の蝦名(えびな)裕一准教授の推計で分かった。蝦名氏は「復旧作業が進んでいる場所から早めに対処する必要がある」としている。 国や県の指定文化財のうち、建物被害が生じる可能性がある震度5弱を超えたエリアにあるものを蝦名氏が集計したところ、石川県に677件▽新潟県に472件▽富山県に350件-が所在していたという。 特に石川県では約30%にあたる199件が震度6弱以上の地域に含まれており、損傷のリスクが高いとみられる。 今回の地震では建物の倒壊のほか、土砂崩れや津波による浸水、火災も発生しており、文化財被害の態様も多岐にわたると考えられる。蝦名氏は「対処が必要な件数は今後、膨らむかもしれない」としている。