社会主義時代の巨大なアパートが建ち並ぶカール・マルクス大通り(Karl-Marx-Straße)に、かつてその通りと同じ名の本屋がありました。東独時代、東ベルリン最大規模の売り場面積を誇り、その充実した品ぞろえから、東側だけでなく、西ベルリンの人々も本を求めてやって来たといいます。秘密警察シュタージを題材とした映画『善き人のためのソナタ』(2006年)の印象的なラストシーンに登場する書店と言えば、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、2008年に経営難から惜しまれつつ閉店。その後、建物はオフィスとして使われていましたが、今年3月、文学サロンとして生まれ変わったという嬉しいニュースが入ってきました。 関連記事:カール・マルクス書店が閉店 (2008-03-13) 仕掛人は文化マネージャーのヴァネッサ・レミー氏。アウフバウやズーアカンプといった著名な出版社での勤務経験を持つ同氏が、