2月10日の夜、私はある劇場へ足を運んだ。アバター劇場『テアトロ・ガットネーロ』だ。「VRChat」向けアバターの宣伝イベントかつ、宣伝対象となるアバターを用いたデモンストレーションや演劇を観覧できる、劇場型イベントだ。モーションアクターチーム「カソウ舞踏団」によって動かされるアバターは、一切の声を発さず、しかし身体の動きだけで「どのような存在か」を示し、ほとんどの観客が息を殺して舞台を見ていた。デジタル製品として流通するアバターに物語が吹き込まれる光景に、私も鮮烈な衝撃をおぼえた。 劇中では、「アバターとはなにか」という問いが投げかけられた。その問いに対する解は、おそらくいくつもあるだろう。自分の現し身か? 自分の理想像か? 自分とは全く異なる虚構の存在か? 流行りの服のように着替える存在か? 『テアトロ・ガットネーロ』では、それを言葉ではなく、舞台という形で示していた。 2月8日に活動