本の読み継ぎカード。かつての図書館の貸し出しカードを模している=バッハ提供 「バッハ」の幅允孝さん(36)は一昨年春、東日本大震災の被災者へ絵本を贈る支援プロジェクトの中で、「本の読み継ぎカード」を発案した。「ただ本だけを届けるのではなく、どんな気持ちで読み、何を感じたのか、前の持ち主や読み手の思いも一緒に読んでもらおうと思った」と語る。 大きさや形、紙質は、かつて図書館や学校の図書室の本に付いていた「貸し出しカード」にそっくりだ。名前と性別、日付、次に読む人へ短いメッセージを書き込む欄があり、1枚の表裏に5人分記すことができる。避難所や仮設住宅で回し読みされた本には、何枚もカードが差し込まれた。途中で足りなくなり、増刷したという。 原点は幅さんの子ども時代の思い出だ。図書室で新しい本を借りると、カードにはすでに友達の名前。「やられた」と思った。 続きを読むこの記事の続きをお読みいた